下阪本湖都通信 第10号
「まちづくり協議会」立ち上げに向けて その1
前号の復習になりますが、自治会活動を行う上での課題は何か。一つは、担い手不足(役員のなり手が不足・役員の高齢化・役員の負担が多い・一人が複数の役員を兼務等)、もう一つは、活動の継続が困難(自治会加入率の低下・人間関係の希薄化・生活スタイルの多様化・自治会の参加者が固定化・自治会活動への関心が低下等)を挙げることができます。
そこで、「下阪本まちづくり協議会」を立ち上げ、下阪本学区の人たち(自治会に加入・未加入関係なし)みんなが知恵を出し合って、まちづくりを構築していこうと考えています。
私たちが立ち上げようとしています「下阪本まちづくり協議会」。その目的は、“災害に強いまちづくり”“にぎわいづくり”“人づくり”です。その二つを追求するための必要十分条件は、無理がないよう、しかも楽しみながら協議・運営ができないかです。でなければ、決して長続きはしません。そして、それらを追求していく延長上に、「住んでよかった下阪本」、「これからも住み続けたい下阪本」が見えてきます。同時に、下阪本の将来を背負ってくれる担い手を育てることができ、次の世代にうまくバトンタッチができるのではないでしょうか。
では、私たちが住みたいまちとは何か。災害に強いまち、安心・安全なまち、きれいなまち、にぎわいのあるまち、便利なまち、歴史と文化にあふれるまち、絆が深まるまち、子どもたちの見守りが充実しているまち、福祉が充実しているまち等。そのようなまちづくりを構築していくには、将来を見据えたビジョンと覚悟が必要です。決して、大津市が推進しているまちづくり協議会に安易に同意してはならない、一時のお茶を濁すような設立であってはならない、と考えています。子どもの代までいや孫の代まで見据えたまちづくりが必要なのです。たとえ、その理念がすばらしいものだったとしても、数年で破綻してしまえば何のために設立したのか、悔やまれます。地域には不信しか生まれてきません。
「下阪本まちづくり協議会」立ち上げにあたって、大きな問題点があります。まちづくり協議会の運営資金や活動資金を如何にして捻出していくかであります。そのめどが立たないと、数年で破綻することは目に見えています。大津市には36の自治連合会がありますが、潤沢な財産を所持している連合会もあれば、何も所持していない連合会もあり、千差万別です。
下阪本学区は何も財産がありません。財産がない学区では、イベント(商売、朝市、フリーマーケット等)をして、または協賛金を募って事務局費や運営資金・活動資金を捻出しなければなりません。言い換えれば、イベント等をして、次の事業を実施するための資金を生み出さねばなりません。これでは本末転倒ではないでしょうか。
大津市の考えは表向き、「まちづくり協議会は、協議に基づき地域の課題は地域で解決する住民主体の自治組織であり」と、言葉きれいに説明しています。しかし、私たち下阪本学区には、「自分たちの地域は、自分たちの手でつくれ(行政に依存しない)」としか聞こえてきません。運営資金や活動資金等の課題について、全く支援体制が整っていないからです。大津市がこのような姿勢では、結果が見えています。これが下阪本学区の一番の問題点なのです。
しかしながら、大津市と手を携えながら、前へ進めていきたいと考えています。